今を生きる
目の前で犬が遊んでいる。
お気に入りのおもちゃをくわえて一心不乱に振り回している。何度も何度も振り回し飛んで行っては追っかけてまたくわえて振り回す。
そんなことをかれこれ30分は続けている。
一体その瞬間は何を考えているのだろうか？
そんなことを考えてみる。
無我夢中で一点に集中しているのだろう。声にも反応しない。
我々は日常でそんなに一点集中して30分も何も考えずにいられるだろうか？
本当に好きなことなら没頭できるかもしれない。
でも純粋に無心になろうと試みても、必ず雑念が湧いてくる。簡単に瞑想などできない。
呼吸に集中しようとしても、次の瞬間には周りの音や声が気になり出す。
また呼吸に集中しようとしても、次には鼻がむず痒くなって気になる。
三度トライするが、今度は明日の予定の心配をする。
結局、無心になることは、非常に難しいことがわかる。
犬は明日の心配などしているのだろうか？いやしていない。明日から食べるものがなくなって生きていけるかどうかなどと不安の念で生きてはいない。
今の一瞬を全力で生きている。
そこに純粋な生きる姿が見て取れる。
我々人間は先の心配や不安で夜も寝れなくなり、自分のコンディションを崩してしまう。
結果、取り越し苦労で終わることも多い。
心配や不安は自分の背後で見守っていてくれる存在が助けて導くのを妨げてしまうと聞いたことがある。
普段から人のために役に立とうという生き方をしている限り、天は正しい道に導いてくれると信じている。
だから取り越し苦労をせずに、今という瞬間を一生懸命生きて天に委ねていこうと心に決めるのであった。
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